03.誰もがすこやかにいきいきと暮らせるまちづくり

少子高齢化の加速、ひとり暮らし世帯の増加、人々の価値観やライフスタイルの多様化。こうした年齢構成や、家族、地域の変化は、これまでの市民生活の安定、健康の確保のための制度が前提としてきた条件を大きく変えるものです。

 国の健康医療戦略では「未病の考え方などが重要になる」と「未病」が位置づけられました。将来の自分のために日常生活の中で体の状態の改善・維持に主体的に取り組むことが重要で、すなわち、“自分の健康は自分で守る”というセルフケアの推進の強化を掲げています。

 本市で取り組んでいます「あしゆびプロジェクト」は、このような国の新たなコンセプトを実践しており、行政・大学などの研究機関・民間企業・医療関係機関との連携をなお一層推進し、健康寿命の延伸に取り組んでまいります。

 はじめに、あしゆびプロジェクトの各分野における取組みについての周知・啓発としまして、幅広く市民を対象に健康教室やイベントなどで足指力測定を行い、足の健康の重要性を伝えてまいります。

 また、高齢者の介護予防については、民間企業とも連携し多様な通いの場の創出に取り組むとともに、要介護などの原因となる転倒を予防し、生涯自分の足で歩ける体を維持するためにあしゆびや体幹の機能強化を図る講座の開催、自主サークルへの運動指導士の派遣などを実施し、介護予防を推進します。就学前児童については、モデル園での成果として保護者や関係者から「姿勢が良くなった」「足が速くなった」「体幹がしっかりして、片足バランスが安定してきた」などの声が届いています。今後もあしゆびを使った遊びや体操を日々の保育で行いながら、マットを使ったバランス力や体幹力を高める運動指導を公立全園で進めるとともに、子どもたちの身体能力向上のための環境整備に努めてまいります。

 さらに、就学前教育・保育環境の充実のため、遊具の更新、トイレの改修工事など、就学前施設の環境整備を進めます。

 加えて、児童虐待予防に向けた施策の充実を図るため、子どもとその家庭、妊産婦を対象に、相談全般とより専門的な相談対応や必要な支援などを行う「子ども家庭総合支援拠点」を設置します。

 そして、地域福祉の分野では、8050問題など複合化した生活課題に対応するため、市民生活応援窓口の支援内容の充実を図るとともに、関係機関が連携し、地域づくりを含めた包括的な支援体制の構築に取り組みます。