徹底して“ムダ・ムリ・ムラ”をなくし、“市民サービスの維持・向上”を図る。このことにこれまでもこれからも全身全霊で取り組んでまいります。
この3年間で、基金残高は令和元年度2月末現在の見込ではありますが、55億5,609万円となり、約23億円の増加、そのうち財政調整基金残高も25億234万円となり約13億円増える見通しであります。
また、ふるさと納税額についても今年度は4億8,000万円の寄附が見込まれ、この3年間で3倍以上に増やすなど、歳出の抑制と歳入の確保に努めてまいりました。しかし、依然として本市の行財政運営は厳しいものがあります。
本市の一般行政部門の職員数は人口や産業構造が近しい類似団体と比較して約3割少ない状況にあります。また、職員一人当たりの人件費は府内43市町村の中で2番目に低く、府内平均より年間一人当たり約100万円低い状況にあります。他市より圧倒的に限られた人員や財源の中で最大の効果をあげていかなければなりません。
加えて、地方自治体の職員数は平成6年をピークに減少傾向にあり、今後、生産年齢人口の減少によりさらに減少していくことが予想されます。一方で、少子高齢化の進展、多様な価値観を持つ人の増加、大きな自然災害の増加などにより地方自治体の業務は複雑化・多様化していくと考えられます。このため、業務の効率化や人財育成の取組みを推進し、市民サービスを維持・向上させることは待ったなしの課題です。
はじめに、昨年から「官民連携」「市民共創」で実証実験を実施している「バーチャル市役所総合案内」を本格導入します。実証実験では、システム開発は民間企業と職員が、PR動画の製作は市民と職員が、また、より分かりやすく使いやすいものとするためのモニターテストなどは市民と民間企業と職員が、それぞれ連携・共創し改善を進め、既に、そこで出されたアイデアからこれまでなかった新しいサービスや価値も生まれました。これにより市民サービスの向上と業務の効率化の両立を図るとともに、行政サービスのデジタル化実現に向けた第一歩とします。引き続き、市民との丁寧なコミュニケーション、理屈だけで解決できない課題や新しい課題の解決策の検討など人でしかできない業務により職員が注力できる、持続的に行政サービスが提供できる体制の構築をめざして、ICTの活用などによる業務の効率化を推進します。
また、生産年齢人口減少に伴う労働者不足に対応し、本市の行政組織を強靭で持続可能なものとするためには、性別や年齢、国籍などの違いを認め合い、それぞれの能力を活用するダイバーシティの推進が重要です。令和2年度は女性職員にフォーカスし、これまで以上に女性が働きやすく活躍できる組織づくりに向けて、有識者も含めたワーキンググループを設置し検討を行います。また、先般、ベトナム社会主義共和国バリア・ブンタウ省人民委員会とのトップ会談で、人材交流・活用に関する政策協議を行いました。令和2年度中に同省から職員派遣の受入れについて関係各所と調整してまいります。